アンケートの表を見て、割合を足したら100%を超えた。すぐに計算ミスと考える前に、表の注記に「複数回答」と書かれていないか確かめてみましょう。一人がいくつも選べる質問では、同じ人が複数の項目に数えられることがあります。
ここでは実際の調査ではなく、五人に好きな散歩場所を尋ねた架空の例で考えます。人数を少なくすると、どこで重なりが生まれるかを自分で追えます。
五人なのに、選ばれた数は七つ
五人のうち、公園を選んだ人が四人、川沿いを選んだ人が三人だったとします。両方を選んだ人もいるので、四と三を足した七は、七人の回答者を意味しません。数えているのは、二つの選択肢が選ばれた回数の合計です。
それぞれを回答者五人で割ると、公園は80%、川沿いは60%。合計は140%になります。一人一つの選択に分けた割合ではないため、この合計だけで表が間違いだとは言えません。
割合の分母を注記で確かめる
実際の資料では、全回答者を分母にしているのか、その質問に答えた人だけなのかを確認します。質問ごとに無回答の扱いが違えば、同じ資料でも分母が同じとは限りません。人数が示されていれば、その数字もメモに残しましょう。
また、「選択された回答全体に占める割合」という集計なら、先ほどとは別の計算になります。表の見た目が似ていても、割合の意味まで同じだと考えないことが大切です。
二つの割合から、重なった人数は決められない
公園を選んだ四人と川沿いを選んだ三人が、どれだけ重なっているかは、この二つの数字だけでは一つに決まりません。五人という条件なら少なくとも二人は重なりますが、三人が両方を選んでいる場合もあります。詳しく知るには、組み合わせの集計が必要です。
「公園か川沿いのどちらかを選んだ人は140%」とは書かないようにします。個別の割合を足した値と、少なくとも一方を選んだ人の割合は別のものです。
要約には、回答方式も添える
「複数回答の質問で、公園を選んだ人が80%だった」と書けば、数字の読み方が伝わりやすくなります。さらに詳しく読むときは、回答者と住民全体を分ける考え方も確認してみてください。割合を読む入口は、足し算より先に、誰が何回選べたのかを確かめることです。

