PUBLIC BOOKMARK 公開資料を読む、小さな入口。

目盛りが1、10、100と進む図は、同じ差を並べていない

表をイメージした紙と虫眼鏡のイラスト
AI生成の装飾イラスト。実際の資料や統計図ではありません。

グラフの目盛りが一、十、百、千と、同じ間隔で並んでいることがあります。見た目の間隔が等しいからといって、数字も同じ量ずつ増えているわけではありません。まず、軸がどのような規則で作られているかを読んでみましょう。

隣り合う目盛りの関係を確かめる

一から十は九の増加、十から百は九十の増加です。差は異なりますが、どちらも十倍になっています。このような対数目盛りでは、同じ比率の変化が同じ距離に対応します。通常の、同じ差を同じ距離に置く目盛りとは読み方が変わります。

最初は線の傾きを解釈せず、隣り合うラベルを三つほど紙に写してみます。足し算で一定なのか、掛け算で一定なのかを見るだけでも、いつもの読み方をそのまま使ってよいか判断する入口になります。

まっすぐな線を、同じ量の増加と決めない

英国議会図書館の読み違えやすいグラフの解説では、線形目盛りと対数目盛りの違いも扱われています。時間軸の間隔が等しく、縦軸が対数目盛りの場合、一定の割合で増える系列は直線として表れます。

架空の例で、一年目が十、二年目が二十、三年目が四十なら、毎年二倍です。増えた量は十、二十と変わっています。直線だから毎年同じ個数増えた、と言い換えると、この関係を取り違えてしまいます。

目盛りの途中を読むときも、通常の定規の感覚をそのまま使わないようにします。一と十の中央が五・五になるとは限りません。細かな値を読みたいなら、軸の規則を理解して計算するか、元の数値表を使います。図を画面上で拡大しても、目盛りの仕組みが変わるわけではありません。わからない位置に、もっともらしい数値を書き込まないことが大切です。

元の数値を確認してから説明する

対数目盛りは広い範囲の値や比率の変化を見るために使われます。使われていることだけを理由に、誤りやごまかしと決める必要はありません。ただし、軸の表示を省いて図だけ共有すると、読み手が通常の目盛りだと思うおそれがあります。

自分のメモには「縦軸は対数」と残し、具体的な値は元の表で確認します。縦軸の始まりを見る方法とは別に、今回は目盛りの進み方そのものを見る練習です。図の印象を説明する前に、等しい距離が何を意味するかを一度言葉にしておきましょう。