右肩上がりの線を見ると、大きな変化が起きたように感じることがあります。そこで線だけを追う前に、縦軸の最小値と最大値を確認してみましょう。グラフが使っている範囲によって、同じ差でも見える傾きが変わります。
二つの目盛りを想像する
架空の値が98、100、102と変化したとします。縦軸を0から110にした図と、97から103にした図では、線の上下動の印象はかなり違います。しかし最初と最後の差は、どちらも4です。
だからといって、ゼロから始まらない線グラフをすべて誤りと決めつける必要はありません。細かな変化を見る目的もあります。大切なのは、範囲が明示されているか、読み手が実際の値を確認できるかです。
図の目的と説明を読む
見出しが「大幅な増加」となっていたら、その評価を支える基準が本文にあるか探します。線の角度だけから大きい、小さいと判断せず、差、期間、単位を別々に確認します。
横軸の間隔も見てみましょう。一年ごとの値と、不規則な間隔の観測が同じように並んでいれば、時間の見え方にも注意が必要です。図を読むときは、縦軸だけの検査で終わらせないことが役立ちます。
文章で言い直せるか
最後に、グラフを見ずに説明できる一文を書きます。「この架空の例では、示された三時点で98から102へ増えた」。そこに、単位と各時点がわかれば加えます。図の印象を、確認できる値へ戻す練習です。
二つの地域のグラフを比べるときは、それぞれの目盛りが同じかも確かめます。見た目の高さを比較する前に、数値の条件をそろえましょう。
比較の入口となる質問は、何と何を比べるグラフなのかにもまとめています。図を疑うためだけでなく、どこまで読み取れるかを知るための確認です。

