統計資料には、対象に含めたものだけでなく、含めなかったものが書かれていることがあります。対象外の説明は補足のように見えますが、数字をどこまで広げて解釈できるかを決める重要な情報です。
見出しを具体的な範囲へ戻す
たとえば架空の「施設利用調査」が、平日の受付時間内に来た利用者だけを対象にしているとします。この結果を、休日や受付時間外を含むすべての利用者の意見として扱うことはできません。調査の名称が広くても、集計範囲には条件があります。
資料の方法欄や注記を読み、期間、場所、対象者、除外条件を一組で書き出します。条件が複数ある場合は、どれか一つだけを残して要約しないようにします。短い説明でも、範囲を変えてしまうほど省略しないことが大切です。
除外をすぐに欠陥と決めない
特定の問いに答えるため、対象を限定する調査もあります。除外があること自体より、その範囲で得られた結果をどのような主張に使っているかを見ます。限定された結果から広い結論を出していないかを確認するのです。
比較する資料があるなら、両方の対象条件を並べます。似た名称でも、対象外の扱いが違えば数字の差をそのまま比較できない場合があります。条件をそろえられないときは、比較の限界を文章にして残しましょう。
最後に「この数字は何を含まないか」を一文で書いてみます。対象を正確に言えるようになると、数字の価値を過小評価することも、必要以上に一般化することも避けやすくなります。注記は読み飛ばす場所ではなく、結論の範囲を決める場所です。共有用の短い文章にも、重要な対象条件は残します。元の資料へのリンクだけに頼らず、その数字を使う文の近くに範囲を書いておくと伝わりやすくなります。

